第43回 伊原ルリ子氏 of ねっと99夢フォーラム

伊原 ルリ子 氏

㈱晴天(あおぞら)代表取締役社長

  「世界的なエンターテイナーを福岡へ呼ぼう!」――。仲間7人でイベント会社を起ち上げて、興行会社と渡りをつけ、マイケル・ジャクソンの福岡ドーム2日間公演(1996年12月)を実現した一人が伊原ルリ子氏です。しかし、その翌年1月、イベント会社の代表だった仲間の1人が突如姿を消し、興行会社とも音信不通になりました。彼らがチケット代金を持ち逃げしたのです。仲間で手分けして集めた7億円を超える資金はそのまま借金に変わり、伊原氏が背負ったのは、1億3700万円でした。当時26歳、長女はまだ2歳。全額返済する覚悟を決めると、夫は「おれは無理」と離婚を選んだそうです。長女を連れ実家に戻った伊原氏は、朝は工場や魚屋、昼は電話営業に英会話講師、夜は高級クラブとスナックをはしごし、「犯罪と風俗以外は全部やりました」と言うほど睡眠時間を削って働き、ピーク時は月138万円を返済したとのことです。それから10年目、ようやく「完済」となりました。
 この間、実家の倉庫を事務所に、葬儀業界において独自のビジネスモデルを持ち込んだ人材派遣会社を起業しました。その㈱晴天は今、福岡・天神のインキュベーション施設「ibb fukuoka」に転居し、東京に事務所を出し、登録スタッフ1,000人超の規模にまで育ちました。株式上場も視野に入れる伊原氏から、逆境の生き方、新事業の見つけ方等についてうかがいます。


伊原ルリ子(Ihara Ruriko)氏の略歴
1969年、福岡県山門郡瀬高町(現みやま市瀬高町)に生まれる。地元の高校を卒業。専門学校を経て英会話講師をしていた23歳で結婚し、長女を授かる。仲間7人とマイケル・ジャクソン福岡公演を成功させるも、26歳で1億円余の借金を背負う。完済のめどが立つと、㈱晴天(あおぞら)を起業し、葬儀社への人材派遣、エンディングのプロを育成するスクール運営、家族葬や自由葬のプロデュースなども行う。特定非営利活動法人スクール・エイド・ジャパン九州支部長、九州の若者のための人生塾「SAMURAI21」幹事長も務める。福岡市ステップアップ助成事業最優秀賞を受賞。

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借金のおかげ、ねっと99夢フォーラムでワクワク体験

       株式会社晴天代表取締役 伊原ルリ子より(^ ^)

先日の大網での「ねっと99夢フォーラム」では、とっても楽しいワクワク出来るひと時をありがとうございました。講演をさせて頂いた私の方が、逆に皆様からエネルギーを頂きました。
地域のコミュニケーション、子育て問題、人との繋がり…以前はあったのに今は失なわれつつあるものが、ここにはあると感じました。
きっと、一人一人の前向きな思いや行動が活気ある空気作りに繋がっているんだと思います。
講演後の懇親会でも、沢山の意見や質問が出て、今までいくつかの講演会に参加しましたが、こんなにいっぱいの質問を頂いた会は、ねっと99夢フォーラムさんが初めてでした。それ位、真剣に考えていらっしゃる方々が多いという事ですよね。
思わず、答えている私の方がモチベーション上がりました。
初めての大網は、私にとってエネルギーいっぱいのパワースポットみたいな所でした。
ご紹介して頂いた土屋様にも本当に感謝です。
素晴らしい企画や会場を提供頂いた野老社長はじめ社員の皆様、美味しい米粉パンやチーズケーキもありがとうございました‼
ねっと99夢フォーラム事務局の皆様、もっと沢山お話したかったです。本当に暖かく接して頂き嬉しかったです。ありがとうございました‼
このご縁が、あったのも借金のおかげ、マイケルのおかげです。
今は全てに感謝です。
皆様の益々の健康と楽しい未来をお祈りしております。


参加者の声

人間の執念を感じた!
NPO法人地域医療を育てる会理事 大野英雄

 伊原ルリ子さんの講演会を聞いた。伊原さんは私と同じ福岡出身で地元の高校を卒業し英会話講師をしていた23歳で結婚し長女を授かる。仲間7人とマイケル・ジャクソン福岡公演を成功させるも友人は夜逃げし26歳で1億円余の借金を背負う。
 犯罪と風俗以外は全部やり通し7年で借金の完済のめどが立つと、今度は㈱晴天(あおぞら)を起業し、葬儀社への人材派遣、エンディングのプロを育成するスクール運営、家族葬や自由葬のプロデュースなども行う。福岡市ステップアップ助成事業最優秀賞を受賞。

 私の隣には山武市の椎名市長、大槻前副市長が参加していました、非常に勉強熱心です。

 私が感じたポイントは以下のとおりです。
 1.色々悩む中で「返済する」ことを決意したこと。自分の生きる道はお金を出してくれた人の好意に報いるために、何年かかっても良いから返済を決断したこと。
 2.決意が決まると一切迷いがなくなったこと。人間開き直ると一つのことに集中できると思いました。
 3.真正面を向いて逃げなかったこと。借金取り立て屋が催促に来ると居留守を使ったり夜逃げする人が多い中で、伊原さんは取り立ての電話がきたら直ぐ電話に出て返済を1日待ってくれ等言って、逆にプラスにする工夫をした。
 4.葬儀屋をやろうとした時に、52箇所の葬式に出向いたこと。仕事に興味を持つ人はとことん調べることが必要ですね。一流の人の執念は凄いですね。
 5.人に相談する時は、出来るだけ具体的な話しをしようと考えたこと。つまらない聞き方をするとつまらない回答が返る。だから相手の回答を引き出せるような質問方法を覚えたこと。
 6.葬儀屋でも問題点を社員と一緒に3ヶ月かけて研究マニュアルを作り上げたこと。葬儀の終わった夜9時以降から毎日3ヶ月かかってつくリ上げる気迫には感心しました。
 7.一緒に仕事をしている仲間から初めて支持を得たこと。
 一人の人から支持をい得られない限り多くの方の支持は得られないですね。先ずは身近な人の支持を得られることが大切ですね。
 8.子供に何でも相談するようになったこと。子ども扱いせずに大人としてきちんと対話することは大切ですね。

 極限状態になって追い込まれると逃げる人と真正面から戦う人がいる。伊原さんは、真正面からぶつかって活路を見出した優れた人だと思いました。九州人らしくあっけらか感で、明るく大きな声で笑い飛ばしていました。
 同じ福岡出身の森口博子似の可愛いキャリアウーマンでした。
 今日は同郷の伊原さんから元気をもらいました。ありがとうございました。
(山武SNS「ヒーローのブログ」より)


借金が教えてくれた本当のニッチ
一色忠彦


弱冠26歳でしょい込んだ1億3700万円の借金を10年かけて完済してしまった顛末をあっけらかんと楽しげに話す。「夢は願えば叶う」、マイケルジャクソンのコンサート開催という夢は確かに叶ったが、「借金完済」を次の夢にするまでは少し躊躇した。しかし、借金取りの電話攻勢に、「借金は逃げれば逃げるほど逃げられなくなる」と気がついた。「借金は返す」と決意してからは強かった。どうやって返すかしか考えない。返すための方法を真剣に考える。
【人にはやり方を教えるな。何をすべきかを教えれば、人は創意工夫で驚かせてくれる。__G.S.パットン(1885-1945)】

求人情報誌で時給の高い仕事から探す。プライドを捨て、選り好みをしなければ仕事はいくらでもあった。「犯罪と風俗」以外で30業種以上の仕事をしたが、裏方業の方が時給は良かった。睡眠時間2時間半で働き続けた。クラブからスナックと水商売のかけもちもした。テレビを視たり新聞を読んだりする暇もなかったから、クラブではもっぱら聞き役だった。
しかし、この時期、彼女は睡眠時間を削って情報収集に励み、様々な人間や世界を見つめていたようなものだ。
【人は2つの方法によってしか学ばない。一つは読書によって、もう一つは自分より賢い人たちとの付き合いによってである。__ウィル・ロジャース(1879-1935)】

傍から見ればひどい生活だが、マイナスのことを考える暇もなかった。忙しいときの方が悩まないのだ。嫌なことから逃げないこと、向き合わないと進まないこと、平等な資源は時間だけだから時間の工夫をするしかないこと、極限状況の中で彼女はひたすら前向きに逞しく学んで行った。
【経験を賢く生かすならば、何事も時間の無駄にはならない。__オーギュスト・ロダン(1840-1917)】

しかし、過労から居眠り運転で自動車事故を連続して起こしてしまう。「次は死ぬかもしれん。このままじゃいかん」と思った。たまたま友人に誘われて結婚式の司会業をしようと思ったが、既に30代も半ばだったので、葬儀の司会を勧められる。それは不本意だった。でも、結婚式は土日しかないが葬儀は毎日あると聞いて俄然乗り気になる。彼女は徹底した三現主義だ。新聞のお悔やみ欄をチェックして実際の葬儀を見学に行く。2ヶ月間で50件以上の葬儀を「リサーチ」したら、微妙な違いが見えてきた。この業界と係わりたいと思い始めた。
葬儀業界のひとと話をしてみたいとも思ったが、周囲にこの業界の人を知っている人は誰もいない。でも、「イメージを具体化すると人は知恵を出してくれる」ことを既に彼女は心得ていた。葬儀屋は知らなくても、葬儀屋に出入りする「花屋」や「仕出し屋」や「仏壇屋」なら知っている人がいた。回り道のように見えるが、結果的に返って葬儀業界を広い視野からトータルに理解できるようになった。実際に葬儀業の人に話を聞くと、「人の手が欲しい」という声が多かった。そこで葬儀業を対象とした人材派遣業を始めることにした。あっけないほど単純だが、ニッチを探り当てたのだ。

「大丈夫、大丈夫、どげんかなるけん」が口癖の彼女は早速人材を募集、応募してきた30人を全員採用してしまう。葬儀経験全員ゼロからのスタートだった。
【自らやる気を鼓舞できない人たちは、ほかの才能がいかにすばらしくても、凡人に甘んじるしかない。__アンドリュー・カーネギー(1835-1919)】

当然、初めは100%クレームだ。ただでいいからあと3日だけでも使って下さい、と頼みこんで、ちゃっかり仕事を覚えさせてしまう。「ピンチとの向き合い方でチャンスが回ってくる」ことは経験から身に染みている。「こんな仕事をしていても面白くないから辞める」とある社員に言われた時も、その理由が「プロらしくない」ということを知って、マニュアルを作ることにした。仕事が終わった9時半過ぎから夜中まで毎晩全員で議論しながら3カ月かけて完成する。このマニュアルのおかげで体系的な研修が可能となり、社員も自信をもって仕事ができるようになった。葬儀経験ゼロだった社員がプロとして評価され、派遣先から褒められるようになると仕事も面白くなるものだ。いつしか派遣登録数1300人の企業になっていた。

彼女自身「人の知恵や人脈は最大のマーケティング」というように、不思議に思ったことは自分から何でも聞く。もちろん、社員の意見にも素直に耳を傾ける。人脈を大切にする彼女は、死さえも「バトンタッチ」だと考えている。
【亡くなった人を悼むのは、愚かで間違ったことである。それよりも、そのような人が生きていたことを、神に感謝すべきだ。__G.S.パットン(1885-1945)】

彼女は既成概念や古い常識に囚われない。自分の頭で考え、他人の知恵を借りれば克服できないことはないと考えている。昨今、法令だけでなく既成のルールや規範に盲目的に従い思考停止に陥る人が増えていると言われるが、彼女は全く違う。だから、彼女が見つけた本当のニッチは、実は葬儀業ではなく、何事にも囚われず自分の頭で考え抜き他人の知恵も借りて諦めずに前に進み続けるという彼女の行動パターンそのものだったのだ。

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